マンション専有部のリフォームは一般戸建て住宅とどこが違うの?
集合住宅ならではの「配慮」が必要
マンションでは近隣の住民との「物理的な距離が近い」ために日頃より多くの課題がありますが、専有部リフォーム工事では特にその問題が顕在化します。トラブルにならないためにも、事前に入念な準備とプランニングが必要です。
特に気を使うべきは、やはり工事中の「騒音」です。周りの住民の理解は必須ですので、「期間」や「内容」をしっかりと事前告知をしましょう。また住民だけではなく管理組合への届け出も忘れずに行います。
リフォームをする場所を確認する
次にリフォームする場所は、リフォームが計画通り可能なのかをしっかりと確認しましょう。個人で行うリフォームは、マンション毎に定められている「管理規約」に記載されている「専有部分」に限られています。意外なところでは「ベランダ」や「窓のサッシ」「玄関ドア」など「共有部」として定められていて、個人で勝手に工事をすると逆に「賠償問題」になることもあるので事前に確認が必要です。
水回りのリフォームで、特に気をつけなければいけない点はなに?
水回りは「配管状況の確認」が基本
マンションの場合、キッチン、バスルーム、トイレ、洗面所など水回りのリフォームは、単純に「住宅機器だけを交換すれば良い」ということにはなりません。
たとえばシステムキッチンを交換する場合、床下の給排水管がどのように配管されているかにより工事の方法も変わってきますし、交換できない機器も出ます。
また築40年以上経過しているマンションには、コンクリート床下に水道管が埋め込まれているものもあり、場所を移動させることが構造的に不可能なケースもありますので特に注意が必要です。
床の張替えが「工事後の騒音」問題に?
たとえばシステムキッチンを交換するために床の張り替え工事も行う時に、システムキッチンなどの機器にお金がかかるので床材を少しコストダウンしたいと思っても、それが「規約上」できない場合もあるのです。
多くのマンションでは階下の住民へ生活音の配慮から、管理規約で「遮音等級」が定められています。つまりリフォームに使う床材も、一定以上の遮音性のある品質の製品しか使えないので、事前に確認が必要となります。
リフォーム後に階下の住民から「急に物音が聞こえるようになった」などのクレームを受けると、規約通りの床材を使用したかが問題となり、「リフォームのリフォーム」をすることにもなりかねません。
リフォーム業者選びのポイントは?
「価格」より「技術」の比較検討を
このようにマンションリフォームは一般住宅とは異なり様々な制限や注意点がありますので、リフォーム成功の鍵は「業者選び」と言えます。
リフォーム屋さんは、個人から大手まで規模や得意分野の違いなど様々な会社がありますが、一言でいえば「マンションリフォーム経験の豊富な業者」に依頼するべきだと言えるでしょう。
業者選びのポイントは2つあります。
1つ目はリフォームの「技術面」です。マンションは一般住宅とは異なる仕様の水道管や排水管の設備があり、専有部もその設計や条件に合わせて配管をしなくてはならないので、その技術や知識がある業者を選ぶべきでしょう。逆に言えば、床下や共有部の配管を調べずに簡単に見積もりを出してくる業者は要注意です。
現場作業員の「経験値」が重要
2つ目は実際に作業をする工事担当者(職人)が、集合住宅におけるリフォームの課題を熟知しており、さまざまなケースに配慮や対応ができる経験値を持っていることです。
契約前に営業担当者が価格の話しや表面的に格好のいいことばかりを並べてセールスしても、実際の工事はマナーの悪い現場作業員が担当して、近隣の住民に不快な思いをさせた事例などはよく聞く話です。
経験上、工事前には管理組合や近隣住民への告知方法などのアドバイスや実際の告知ができ、工事中には作業員の挨拶やマナーなどの工事環境づくりにまで気を配れる業者は工事技術もしっかりしており、工事終了後のアフターケアーも任せられる優良業者と言えるでしょう。